前回の「障害を抱える子どもと「事件性」について、誰もが考えるべきだと思う」の記事。
「誰もが考えるべきだと思う」といいつつ、本当は悲しい事件だから読み聞きしたくないなとも思う。ニュース記事を全部読まなくても、悲しいことは十分に伝わる。
障害者の親として、リアルの自分の生活と照らし合わせてしまい生きていくのが悲惨にさえ思えてくる。
ニュースでなく本もおなじ。衝撃的な事件の手記や実話・体験記。よくある「発達障害の頭の中を知ろう」とか「発達障害ってなに?」といったノウハウ本として知識を補うものとは全く違い、読むのがツラくなるような実話や体験記の本。読んでも、やるせない思いしかでてこなくて「もう読むのをやめようかな」と思うような本。
犯罪後のリアルを知ったところで、多くの犯罪は事前に打つ手立てはない。ましてや、読んだらより一層不安が募るばかり。親といえども、子どもを守ることの難しさを思い知らされるから、さらにツラくなる。
でも、ときどき手に取って読んできました。
今回は、過去に読んだ中で衝撃的の強かった3つの本を紹介します。読むことをオススメするわけではありません。私は、この3冊に、感想を述べるには、詰まってしまうものがあります。ただ、紹介をしておこうかなとは思いました。
過去に読んだ、3つの衝撃的な実話に基づいた手記
過去に読んだ、3つの衝撃的な実話に基づいた手記3つは、こちら。
- 加害者家族
- 謝るなら、いつでもおいで
- 累犯障害者
加害者家族
一つ目は、幻冬舎出版の「加害者家族」です。
衝撃の走るような犯罪事件が起こったときには、被害者の苦しみばかりをクローズアップしたマスコミ報道が流される。その裏で報道されることのない、加害者家族のことを書かれた本です。実際に、どのような暮らしをするのだろうと思って手にした本です。
障害ある幼い我が子達がパニックになり他人に噛みついたりするようになり、心のやり場がなくなったときに読もうかなと思った。
身内の犯罪を事前に防ぐには、いくら家族とはいえ限度がある。起こしてしまった身内の犯罪の責任は家族にどこまで求められるのか、考えさせられる1冊だった。
ネット社会による誹謗中傷。個人情報や写真までも拡散され謂れのないことも書き込まれる。失職に引っ越しや転校を余儀なくされ、自分だけでは受け止めきれず自ら命を絶つ加害者家族も多い。
加害者家族になる可能性って、誰でもある。タイトルだけ置いておきます。
謝るなら、いつでもおいで
二つ目は、毎日新聞記者である川名壮志さんの書かれた「謝るなら、いつでもおいで」。
2004年、長崎佐世保の小学校で、6年生の女の子が同級生を殺害した痛ましい事件。その全貌近くで見てきた、被害者の父親の親しい部下である川名さんの書かれた俯瞰的なノンフィクション。
被害者家族の、心身のバランスのとり方や生き方・暮らし方、兄へのインタビュー。加害者の家の様子、そして父へのインタビューから事件前の加害者の女の子の様子が分かる。
本当に途中で、読むのをやめようかなと何度も思った。読むのに何日もかかった。でも最後まで読んだのは、人の苦しみの中にある、どうしようもない「なにか」を知っておくだけで、これからが大きく違うかもと思ったから。
忘れられない一冊です。タイトルだけ置いておきます。
累犯障害者
三つ目は、元衆議院議員である山本譲二さんの書かれた「累犯障害者」。
2000年に詐欺容疑で逮捕され、実刑判決を受け服役中に見た刑務所内の障害ある方々のリアルを綴った本です。山本氏は刑務所で障害の、刑務官の仕事をサポートする服役業をすることになったそうです。
最初の数ページを呼んで苦しくなってしまい、2年くらい放置しておいたけど結局読んだ。私の娘のことを思いながら読んでしまうから、先へ進むのに時間がかかった。
刑務所内での、失禁のこと障害者の暮らしのリアル、女の子の性行為などのことも書かれていました。
こちらも、もう読まない方がいいのかなと思ったけど、最後まで読みました。これもまた同じで、自分のなかに深くツラいインパクトを与えるとしても、知っておくだけでいつか誰かの気持ちを察するこに値するかもしれないと思ったから。
まとめ:障害者のリアル犯罪を書かれた本を、読む意味について
人生って、素晴らしい一面もあるけど、ときに本当に酷。
だって、誰かの犯した犯罪によって傷つけられる人やその家族、障害を抱える人に対する手の行き届かない支援が、こうして社会の課題となる。
苦しいよね。
今日はここまで。