【発達障害児を助けて!】児童相談所って何をするところなの?

発達障害を抱えたお子さんをお持ちの親御さんには、児童相談所に反感を抱える声もよく耳にします。

  • 児相が助けてくれなかった!
  • 緊急時に児相は何も対応してくれない!

※実際に私も同じように考えたことがあります(後述しています)

 

先日、Twitterのスペース機能(音声対談)を利用して、障害を抱えるお母さん方のご意見を聞いてみました。支援に対する経験談や児相との経験談も伺ってみると「児童相談所は助けてくれなかった」という声が多いのが現実。

 

児童相談所で働く全ての方々が「突き放すような気持ち」で働いているわけではありません。では、なぜ専門の知識や経験を持ち働いているのに、このように感じる障害児の親御さんの声をよく耳にするのでしょうか。

 

近日、自動相談所に行く機会があったために、我が子の手続きをしつつ児童相談所の職員の方に多くの質問を投げかけてみました。

 

今回は、「児童相談所は何をするところ?」について解説します。さらに、障害者の親が抱える「児童相談所への不信感はなぜ故に」という気持ちについて主観的に考えてみました。

児童相談所とは?

児童相談所について、解説します。

【児童相談所について】Q:児童相談所ってどんなとこ?

児童相談所は、名前のごとく「子ども(18歳未満)の未成年のことを相談するところ」です。

 

保護者となる方々が子どもの健やかなる成長を願い、専門の職員に相談・解決を主な目的とした機関です。※主な役割については後述しています

【自動相談所の利用者について】Q:誰が利用できるの?

「子ども(18歳未満)の未成年」に関する相談であれば、保護者・本人・親戚・地域の人・学校の教職員など、誰でも相談することができます。

 

【児童相談所で働いている人について】Q:どのような人たちが働いているの?

児童相談所で働く人は、以下のような専門職の方々となります。
  • 教育・訓練・指導担当児童福祉司(ス-パ-バイザ-)
  • 児童福祉司
  • 児童相談員
  • 児童心理司
  • 心理療法担当職員
  • 医師(精神科や小児科医)
  • 保健師
  • 臨床心理士
  • 理学療法士
  • 言語療法士
  • 作業療法士
  • 臨床検査技師等   など

 

中でも、中心者となっているのが「児童福祉士」「児童相談員」と呼ばれる方々です。

児童相談所で相談できること

児童相談所で「相談できること」を紹介します。

 

取り扱う相談事項は、大きく以下の5つに分けることができます。

  • 養護相談
  • 障害相談
  • 非行相談
  • 育成相談
  • その他の相談   など

 

◇5つの相談事項についての具体例

養護相談
  • 保護者の病気、死亡、家出、離婚などの事情で子どもが家庭で生活不能となった場合
  • 虐待の問題 など
障害相談
  • 肢体不自由
  • 発達障害 など
非行相談
  • 家出
  • 窃盗
  • 暴力
  • 性的な問題
  • 薬物  など
育成相談
  • 発達の遅れ
  • 成長過程での悩み
  • 学校や友達との関りについて  など
その他の相談
  • 里親
  • 養子 など

 

児童相談所では、子どもに関わるあらゆる相談に応じており、18歳未満の子どもや保護者その子どもを取り巻く周囲からの幅広い相談を受け付ける窓口の役割を担っています。

 

児童相談所|相談を受けた後の対応について

児童相談所で相談をすると、相談内容や状況によって以下のようなさまざまなサービスを提供されます。

  • 継続的な相談支援
  • 相談に対する必要な助言
  • 一定期間の専門職員による援助
  • 必要に応じた他の専門機関の紹介(医療・訓練・援助)
  • 養育家庭制度(養子縁組・一定期間子どもを預かる養育家庭・里親制度)
  • 措置機能:施設の入所支援(乳児院・児童養護施設・児童自立支援施設・知的障害児施設・肢体不自由児施設などの児童福祉施設の紹介と連携)
  • 一時保護機能:虐待や保護者の死亡などにより、一時的に子どもを預かる
  • 療育手帳の交付 など

 

…ざっと、児童相談所は子どものことで悩んでいる人たちの駆け込みの場として広く役立つものとなっています。

 

さおり
次からは、実際に我が家が児童相談所で体験した「疎外感」と「恩恵」の両方を解説するよ!

実際に我が家が児童相談所で経験した疎外感と恩恵

私は、児童相談所で「疎外感」と「恩恵」の両方を感じました。

 

この記事を書こうと思ったのも、なぜその両方を体験したのかについて「児童相談所」と「障害者の親」の関係や制度について多くの方に知ってもらいたいから。

 

疎外感を感じたのは、私が児童相談所が「何をするところなのか」「何ができるところなのか」を知らなかったため。要は、私が児童相談所への期待が高すぎたということです。

 

恩恵を感じたのは、私が児童相談所が「何をするところなのか」「何ができるところなのか」を理解したため。

 

実際に子どもの問題(特に障害児)というのは、親と児童相談所の2者だけではないはずです。医療も相談も福祉も教育(学校)も全てが連携をとって考えていく問題。もちろん、そうしていこうと取り組んでいるのだとは思うけれど、取り組み手段がオフラインと電話のみ。みんなが統括して閲覧できるプラットフォームの整備なんて、制作される予定もなさそう。

 

結果として、ケース会議に集まることができない人が出て来たり、参加できる人も代表者だけだったり。実際、子どもの支援者として一番関わる人に連絡が届いてないケースも見受けられる。一見、繋がっているようで分断されている障害者支援。

 

結果として、それぞれが所持する情報が少なすぎることが起因し、問題が未解決になったり逆に大きくなってしまったりというのは実際に見受けます。

 

実際の私が体験した児童相談所での「疎外感」の体験談を詳しく解説しましょう。

自閉症育児で、児童相談所に感じた疎外感

2021年の春。自閉症の娘は小学校6年生にあがった頃に荒れはじめました。

 

多くの問題行動を起こし始めましたが、それは本人の意志で起こしているものではなく、障害の特性からくる不安感であり苦しかったことと思います。それを、家族にも伝えること手段(言葉など)を持たない娘の気持ちを思うと今でも胸が痛みます。

 

さまざまなことがありましたが、大きな事件は以下2つ。

①警察を呼んだ

娘のパニックがなかなか落ち着かず、私に噛みつき、自分を傷つけ、家の中のものを壊し続ける。本人がやりたくてやっているわけではないですし、それほどの怒りに体を蝕まれるのは苦しいことでしょう。

 

「危ないから離れておきなさい」と半ば怒鳴ったような声で息子に忠告していたのに、あまりにも私が傷ついている様子を見かねて仲裁に入ってしまった息子。いつもは息子には手を出さない娘が、息子にも噛みついてしまいました。

 

弟とはいえ、息子の方が体つきは大きく娘に殴りかかってしまいました。一度火が付いた息子は、止まりませんでした。私は間に入りつつ、2人を取り押さえていましたが、次第に体力も尽きてきました。そして警察を呼びました。

 

Twitterの中で、同じ境遇のお母さんに教えて貰った「家族の誰も犯罪者にしないために」を教訓にした結果の行動です。

②包丁事件

数日後、同じような状況がやってきます。

 

前回の「警察を呼んだ事件後」に、息子には「ママを守ろうとしてくれたことへの感謝」は告げつつ、「暴力ではママを守ることにはならないこと」も伝えましたが、人間というの感情に支配されると理性が崩壊するのですよね。穏やかな息子も、怒りに支配され始めていました。

 

「これ以上ママを傷つけるなら、こうしてやる」といって息子が持ち出したのは包丁です。

 

パニックで暴れる娘を取り押さえていた私も、息子から包丁を取り上げ手の届かない所へ置き、息子を怒鳴りつけ頬を叩いてしまったのです。私も理性を失い始めました。

 

夜中も、翌日もずっと泣いていた息子。私も、ずっと泣いていました。

 

このときの状況は、以下記事でも詳しく解説しています。

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児童相談所の対応

このとき、私は児童相談所へ電話をしています。状況を説明して「助けてください」と。

 

けど、このとき返ってきた言葉は「お母さん、今から連れてこれます?お話聞きますよ。連れてこれないなら、暴力沙汰は警察へ」だった。

 

今振り返っても、言葉の端々に優しさは感じることができないし、もっと別のいい方もあったとは思う。助けてもらえると期待を寄せる場所に突き放されることほど、障害児育児を担う親にとってツラいこはない。

 

でも、例え助けたいと感じても、児童相談所の職員がすぐに駆け付けることのできる制度が整っていないんだよね。それに、児童相談所は、即座に障害児を預かる場所という体制も整ってはいないし、そういう場所でもないんだよね。

自閉症育児で、児童相談所に感じた恩恵

その後、娘は病院へ入院、そして医師から宿舎入所を提案された。

 

医師

娘さんの身体も大きくなり、お母さんひとりで育てるには限界が来ていると思います。

一度、親元を離れ「支援の中で、生きる力をつけるため」に施設入所を考えてみませんか。

 

 

この提案は正論。私は理想家ではありません。この俯瞰的な意見が、現在の我が家にとって最適な判断だと、意志と同じように考えました。

 

私は「親子は愛で結ばれている」「だからずっと一緒に」といったような理想家ではありません。あくまで現実主義で実務家。

 

だけどね、私にもあるのですよ、生物学上の愛というのが。DNA上の愛が邪魔をしてしまい、まだ多く求められたこともない娘と12歳で離れてしまうことがとても苦しく感じました。あれほど重たい涙が流れ出たことは、生きてきた中を数えてもそうそうありません。

 

その後、入所を決断しましたが近場の施設が空いていないことにより、来年度より遠くの施設への入所が決まります。とはいえ、施設の受け入れで体制を私が不安に感じたりして、全てがスムーズに進まない。

 

悶々とした日々が続き、心的に潰れそうになったときに恩恵を感じたのは「児童相談所」でした。

 

医療も相談も福祉も教育(学校)それぞれが、纏まることができず心的にツラい日が続きました。かといって、私が矢面に出て仕切ると問題も起こりそうな雰囲気があるから、私と娘のことを一番よく知ってくれている学校に舵を取って欲しいと自ら願い出た。

 

学校も県の管轄下だからできることも限られているからなのか「自動相談所」に繋がれた。そこから、あれよあれよと話が進み、空いていなかったはずの近場の施設へ、来年度より娘が入所できることになったのです。

 

あくまで予想ですが、児相で説明を受けた「児童相談所が行える措置」なのだと思う。だって、親や福祉相談員がかけあっても「絶対に空きはない」「コロナ禍で受け入れもしない」といわれていた施設に入所が児童相談所の一声で入所できることになったのですよ。

 

私と施設が結ぶ「契約」ではなく、自動相談所が「措置」を取ってくれたからだと思う。障害児としての側面より、措置を取らねばならないと児童相談所が判断し動いてくれたからのことでしょう。

 

私たち国民は、制度を知らない上に福祉の制度は自己申告制のものばかり。そのうえ、行政にはどこまで期待して良いのか分からないから、勝手に期待して勝手に裏切られたように感じてしまう。この部分は、国や自治体の問題であり、これからの課題なのではないかと、私は考えます。

私が考える児童相談所の課題

今回の一件から、私が考える「児童相談所の課題」を洗い出してみました。

 

「虐待を救えない」などの児童相談所の問題がニュースとなって出ていますが、それもこれに通じるところがあるのではと思っています。(主観ですよ、主観(;’∀’))

 

  • 職員の役割分担と職員不足
  • 人材育成

簡単に解説しましょう。

職員の役割分担と職員不足

ひとつ目は職員の役割分担と職員不足について。

 

本記事で上述したように、児童相談所の役割は非常に多岐にわたります。

 

心的なケア・心身的なケア、措置の機能や、手続きなど専門性が求められるものばかりですが、児童相談所に入ると「これだけの役割があってこの人数で足りるの?!」という状態です。

 

どんなに優れた人材でも、現実的には1人の人間が抱えることのできる案件には限りがあります。児童相談所に持ち込まれる相談は多量にあると考えますし、緊急度の高い案件から対応していると後回しになってしまう案件が多いのが現状なのではとも感じました。(何度も言いますが、主観ですよ!)

人材育成

ふたつ目は、人材育成について。

 

警察にも並ぶ権限をもつ児童相談所だから、人材育成はされているはず。

 

ただ、子どもの数は減っているのだけれど、家族単位の小規模化や社会背景に応じて、自動相談所へ持ち込まれる案件は増え続けているはず。そのためか、国も児童福祉士を増やそうと取り組んでいます。

 

でもね、人員然り…人材育成も強化してほしいなと思います。

 

例えば虐待問題。相談をうけて立ち入り調査に行くも「家庭の玄関で親御さんに断られたら介入できない」って、制度どうなんだろう…と思ってしまう。実際に、私も別件で疎外感を受けたわけだし…(本当に苦しかったんだぞ…)

 

児童相談所は教育現場と並び、子どもたちの人生に大きく関わる場所であるということを再認識して頂きたい。質を下げずに人員を増やす体制作り、もっと真剣に取り組んでもらわなければ私の周りには、泣いている親御さんがいっぱいいますよ!

まとめ:【発達障害児を助けて!】児童相談所って何をするところなの?

今回は、自動相談所について解説しました。

 

児童相談所で取り扱う相談事項は、大きく以下の5つ。

  • 養護相談
  • 障害相談
  • 非行相談
  • 育成相談
  • その他の相談   など

 

緊急性の高い非常時の子どもに関する相談から、ちょっとした相談までさまざまなことに対応して貰えますよ!そして、対応の充実にも今後期待したい!

 

今日は、ここまで!

 

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