発達障害のある子の小学校選び、迷いますよね。
「とりあえず、こっちに…」などと安易に決めれることでもなく、我が子の就学の第一歩を左右することですし、正解のないことだから真剣に悩んでしまうもの。
我が家の子ども達はそれぞれに
- 娘は特別支援学校の6年生
- 息子は特別支援学級の4年生
(2021年5月現在)
…となります。
発達障害の子の、小学校選びに悩んでいる方のお役に立てるかどうかは分かりませんが、私にお伝えできることがあるとすればリアルな現状報告や感想。
「学校までどうやって行っているのか」「困っていること」や「通わせて良かったこと」などといった数々のよく聞かれることについて母の見解としてお伝えします。
娘の特別支援学校・息子の特別支援学級|それぞれの学校への一問一答
障害児の親として、小学校選び関連でよく聞かれる質問をまとめています。
娘と息子、それぞれのバージョンで回答しています。
学校まではどうやって通っているのですか?
娘【娘特別支援学校】
移動支援の制度が、特別支援学校の通学にも利用できる地域に在住しているために、そちらを利用させていただいています。
ただ、特別支援学校の開校時間は9時前と遅いために、一般職やフルタイム勤務は難しい状況(実際できない)
※移動支援は、通学に利用できない地域も多いものです。日中一時支援について詳しく知りたい方は、こちらも合わせてご覧ください。
息子【特別支援学級】
徒歩送迎支援専門の事業所があり、そちらを利用させていただいています。
息子は地域の子ども達と集団登校をし、息子の横には毎朝支援員の方がついて一緒に徒歩通学してくださっています。
特別支援学校に通う娘に、ランドセルは買いましたか?
買いました!
毎日、体操服と歯ブラシしか入っていませんが小学生らしく買いました。でも、リュックでもよかったかなとは思っています💦
学校では、どのようなことをしていますか?
娘【娘特別支援学校】
小学校では毎日のスケジュールをきめ細かに提示されて、娘に見合ったカリキュラムを個室で行うことが多いようです。
集団で参加出来そうなケースにおいては、本人が過ごしやすいようなアイテムを持参して参加しているようです。
いずれも、生徒10人以内のクラスに4人程度の教職員が在籍し全力でサポートしてくれています。
息子【特別支援学級】
教科によりますが、支援級で個別授業を受けたり、通常級で大勢の子と一緒に授業を受けたりしてています。
通常級での授業は、介助員の方と一緒に通常級に向かうそうです。1年生のころも現在も、最後まで授業を受けれることもあるし、受けれないこともあるようです。普通級に混ざる教科数は、年々増えています。
休憩時間は、どのように過ごしているのでしょうか?
娘【娘特別支援学校】
自由な時間をどのように過ごしていいのか分からず不安になってしまう娘。
休憩時間にも、トイレや掃除などのきめ細やかなスケジュール提示がされていて、本人が困らないように対策が組まれています。年々、自分で選んだり自由になる時間を増やしたりして歳月をかけて訓練を積んでいます。
息子【特別支援学級】
授業と授業の合間の小休憩は、特別支援学級の本を読んだりトイレに行ったりしているようです。
通常級より、児童個人の趣味嗜好に合わせた本が置いてあるような配慮もして貰えています。昼休憩などは、授業の間の休みよりも長い時間となるために、通常級の子たちと校庭で一緒になることも多く、それなりにトラブルが多いです。
トラブルがあるのは仕方のないことです。しかし、個人的には、同じトラブルが繰り返されないように配慮が欲しいとは思いますが、人手不足や子どもの多さから、支援の手が不足しているようです。
宿題はありますか?
現代の通常級の子ども達は、毎日宿題が山のようにあると聞いたことがありますが、我が家は娘も息子も家に持ち帰る宿題はありません。
そのため、長期休暇の宿題について、お伝えしたいと思います。
娘【娘特別支援学校】
長期休暇の宿題も「必要かどうか」を、親の希望を聞いてもらえます。
2歳年下の息子が就学し、長期休暇に宿題を持ち帰るようになったタイミングで、娘にも長期休暇の宿題を出してもらうようになりました。本人が悩まずに出来る範囲のものです。(線繋ぎや、ひらがなの書きうつしなど)
寝る前の息子が勉強机に向う時間に、息子と一緒に向うようにしています。
息子【特別支援学級】
長期休暇には、通常級の子に出される宿題の80%くらいの量を宿題として出されます。
我が家では、「絶対やりなさい」とお尻をたたくようなことをするわけではなく「頑張れ」と背中を押すようにしています。
宿題が出来ない場合は「なぜ宿題が出来なかったか、先生に自分で説明すること」を教えています。そのことが宿題をやる気にさせることもあります。
賛否両論ありそうですが、宿題が出来なくても理由を説明出来るようになっていて「偉いなあ」と思っています。
友達は出来ますか?いじめられませんか?
「友達が出来るかどうか」は、障害の特性にもよると思います。
今回は、我が子にとって母親として個人的に思うこと…ということで。
娘【娘特別支援学校】
娘は「友達」に限らず、人と関わることが難しいことが多いものです。
友達が自分のローモデルとなって安心感を得ることはあるようですが、友達が出来ないと困るといった様子が娘には見られないようにも感じます。(完全な個人的見解です💦)
小集団の子どもの中で、手厚い支援があるからこそ「周りとの関り」を少しずつ理解していってるのではないでしょうか。
息子【特別支援学級】
学年が上がるにつれて、息子のことを理解してくれる子もいれば偏見を持つ子もいます。(子どもは何も知らないですし、悪気はありません)
悲しいことではありますが、反対に素晴らしいこともあります。息子が障害を抱えていることを一切気にせずに、普通の友達として接してくれる子もいることです。
大人になったときにも、周囲の全ての人が見た目には分かりにくい発達障害を理解してくれるわけではありません。それを思うと、幼いうちから息子を当たり前のように受け入れてくれる友達がいることは、ゆくゆくの息子にとっても社会全体にとってもプラスになるのではないかと、私は考えます。
学校に通わせてよかったなと思うことは何ですか?
娘【娘特別支援学校】
支援が手厚く、娘が障がいの特性により苦しんでいるとき(特にパニック時や、その前後)の対応が手厚いことです。
娘も、過ごしやすいのではないでしょうか。
息子【特別支援学級】
正直なところ、息子は特別支援学校に通わせたいという私の思いがあり、就学相談委員会に再審査の依頼もしました。しかし、通りませんでした。
息子自身も「娘のような学校に通いたいなあ」とは言っていますが、家族として親として客観視出来ていな部分もあると思いますし、これで良かったのかどうか分からないのが事実です。
でも、トラブルもありながら頑張って通っています。本人曰く「学校より休みが好き」らしいです。どこの子も、同じかもしれませんね。
学校が終わった後はどうしていますか?
学校が終わった後は、2人とも放課後デイサービスに通っています。
娘と息子がそれぞれに
- 通う場所がバラバラであること
- 毎日同じ場所に通えないこと
これは、本人たちも親も疲れる要因のひとつです。
我が子達が通う放課後デイサービスを、アルファベット表記で分けてみました。意外と、大変…。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
娘 | A | A | B | C | C | D |
息子 | C | C | B | C | C | D |
放課後デイサービスの在り方の問題点~その①~
放課後デイサービスの在り方の問題点は「親が、子どもを通わせる場所を選べない」とういことです。
空いていると言われれば、どんなに遠くても通うことになる。「ここは我が子には見合ってないかもな」と感じた場合でも、就労している親であれば、そこしか空きがないのであれば通うしかない。
事業所によって、お迎えの時間も方針もさまざま。方針が違えば持たせるものもお迎えの時間も違うけれど、親はその違いに一生懸命ついていかねばならない。
仕事の都合で、放課後デイサービスの迎えの時刻に間に合わなければ、さらにその後の過ごしや送迎の手配も考えなければならない。ときには、母親はそのことを理由に仕事を辞める場合もある。普通に考えて社会問題ですよ。
それにね、親としては大切な我が子を他人に任せるのだから、放課後デイサービスをえらびたい。当たり前のことですよね。
放課後デイサービスの在り方の問題点~その②~
放課後デイサービスは親の就労のために存在しているわけではなく、障害を抱える子どもにとって過ごしの場が必要かどうかで判断されます。
そのため、放課後デイサービスは親の就労は全く考慮されない。ひとり親だとしても両親がフルタイムの共働きだとしても、その子にとって「放課後デイサービスを利用するに値しない」と判断されれば、預け入れが出来ない。
そのような場合、親が仕事量を減らすか、辞めるか、職場を変わるかしかありません。
これでいいのかな。
長期休暇はどうしていますか?コロナ禍の「緊急事態宣言中」はどうしていましたか?
長期休暇中は、2人とも放課後デイサービスを利用しています。
私が住んでいる地域は、盆、正月、GW中にやっている事業所はありませんが、地域によってはあるのかもしれませんね。
緊急事態宣言中は、空いている事業所は利用していました。ただ…1事業所には「娘を見切れない」と言われ(実際にはもっとマイルドに)…小学校が預かってくれました。
学校内に生徒一人だったようで、教職員も手厚いためかパニックになることもなく、落ち着いていた日ばかりだったようです。
お母さんが「特別支援学校」でいいと思うところはどこですか?
また、ここは良くないなと思うところはどこですか?
特別支援学校のいい所は非常に多岐に渡りますが、一言でまとめると「オーダーメイド教育の最高峰」でしょうか。
さまざまな子がいる中で、みんなが過ごしやすい環境を考え、取り入れてくれるところでしょうか。
「誰も置いてけぼりにさせない」、この精神が伝わってきます。
良くない所は特に感じませんが、学校の始業時間が遅い所でしょうか…。(親都合です)
お母さんが「特別支援学級」でいいと思うところはどこですか?
また、ここは良くないなと思うところはどこですか?
特別支援学校でいい所は、通常級の子ども達が関わってくれることではないでしょうか。
一方、関わるからこそのトラブルもある。その辺り、もう少し周囲の職員側の配慮がもう少し強くてもいいのかな、と個人的に感じます。また、特別支援学校に比べて、保護者と支援者と学校で連携をとることは格段に少ないです。(地域差があります)
【発達障害】小学校の選び方|個人的に私が思うこと
発達障害を抱える子の小学校選び…
親として個人的に大切だなと思うことは、我が子が過ごしやすい環境を選ぶことではないでしょうか。通常級に居ることが過ごし辛いのであれば、教育的な配慮のある場でカリキュラムを受けた方が、成長できる可能性も高いはずです。
まだ育児を12年間しかしていませんが、発達障害の度合いによって将来は大きく変わることも理解しています。どのルートを通って青年時代過ごしたとしても、本人が笑顔で過ごせる場所はどこかを考えるのは親の役目だと思います。
それが、将来的に本人のこれからの暮らしの「選択肢」を増やしてあげることに繋がるはずと信じています。そうであってほしい。と、願っています。
もしも、分かってはいるけれど最愛の我が子を「皆と同じ道を歩ませたい」「支援の学級には入れたくない」と考える気持ちと葛藤しているご両親の方は、こちらの記事にも目を通してみてください。(個人的な気持ちです…)
まとめ:【発達障害】小学校の選び方で迷う|自閉症2人の母が答えるQ&A
今回は、自閉症児2人の親だからお伝えできる、特別支援学校と特別支援学級に通わせる親としての「Q&A」に回答してまいりました。
発達障害の子の、小学校選びに悩んでいる方のお役に立てるかどうかは分かりませんが、親御さんの就学相談の悩みが少しでも和らげば幸いです。
今日は、ここまで。
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