私は、自閉症児2人のひとり親をしています。
👧2009年生まれの特別支援学校に通う、自閉症の女の子
👦2011年生まれの特別支援学級に通う、自閉症の男の子
自閉症の子供たちと暮らすママ達に質問です。
子供達が幼稚園や保育園、小学校やデイサービスを利用できないときはどうしていますか?ワンオペでずっと自分が見ているという人もいっぱいいますよね。だから週末や長期休暇が辛い…。
私は離婚前も今もひたすらワンオペなのですが、支援児の母親業をやればやるほど「おかしすぎる」と思うことが多い気がしてなりません。
その「おかしすぎる」という気持ちを言語化しつつ、自閉っ子の親が自分の時間を作れる「移動支援事業」を紹介していきたいと思います。
移動支援とは

移動支援とは障がいを抱えた(大人にも子供にも対応)、ひとりでの移動が難しい方に向けて外出の支援をするサービスです。
地域の事業所と契約する事で、親の代わりに障がいのある我が子を連れだしてもらえる生活支援事業サービスになります。※居住の自治体により、サービスの規定が変ってきます。
いつ、どんな障害の子が、どのくらいの時間、どこへ行く事ができるの?
いつ | ・親が自分の時間が欲しい時 ・子供が親以外の人と出かける為に |
1人では移動が困難な障害者(児)に対して、余暇活動や社会生活上必要な外出の際に支援者と、移動の介助を提供するサービス |
誰が | 小学校1年生以上 | 身体障害者(児)・視覚障害者(児)・知的障害者(児)・精神障害者(児) |
時間制限 | 自治体に要確認 | 自治体ごとのサービス支給状況によって利用できる時間数が大きく異なります。 一概には言えませんが、月に20時間前後の所が多いようです。 |
場所 | ・余暇活動 ・社会参加 ・生活上必要な外出 |
(例)自宅から公園や博物館、動物園、プール 自治体によっては制限を設けている所もあるために確認が必要です。 |
利用申請方法
移動支援の利用の為には申請が必要で、その際に受給者証が必要になります。この受給者証は、放課後デイサービスやショートステイを利用する為の受給者証とは別の受給者証となります。
放デイやショートステイを利用しつつ移動支援も利用しようと思えば受給者証が2つ必要になるわけです。そして、受給者証の発行の可否や支給日数の決定など自治体にゆだねる形になるし、受給者証取得のためには障害者手帳が必要な地域もあるようです(私の住んでいる地域は違いましたが…)
ちょっと色々ややこしいので、これから支援をずっと利用していくのであれば「相談支援事業」や「発達支援センター」を利用して「相談員」つけれるかどうか確認してもらうのもありです。相談員がついてくれれば、そうした事を一括して説明や手配をしてくれますよ。
ママさん達が、小さい子を連れて手続きに大変な思いをするといったことが少しでも減るよう祈っています。で、それが出来ない場合は、事前に自治体の福祉課に電話をして、必要なモノを確認し手続きに向ってください。
- 住んでいる自治体の障害福祉課窓口に申請をす
- 支給決定会議
- 支給決定
- 受給者証の発行
- 契約・サービス利用
私が、多くの人に移動支援を利用して欲しい理由

ここからが今日の本題でして、わたしが移動支援を紹介したのには理由があります。
一気にお伝えしていきたいと思いますね。
①母親の休息の為
障がいのある子(自閉症児育児)を育てていると、心身ともに疲れ切ってしまいますよね。体だけでなく心もすり減っていく。頑張るしかないのは分かりますが、そんなときは少し子供と距離をおきましょう。
「学校も幼稚園(保育園)もデイサービスも行かせているしこれ以上は…」というママ達も、全然問題ありません。子供と過ごすのが辛いと感じるのなら「我が子や支援の方に申し訳ない」などという気持ちは一旦置いておいて、積極的に離れましょう。
酷い話に聞こえてしまう人もいるかもしれませんが、本当にそんな風に思っています。私自身、自閉症の子供達を一人で育てながら思うんです。障害と虐待は背中合わせなんだな…と。もちろん、今の所まだそこまでで追いつめられてはいませんが、虐待してしまう人や産後うつ、育児ノイローゼといったところに陥ってしまう方の気持ちはなんだか理解できるんです。
「ひとりで見ていたら、いつか自分が壊れる」そんな風に思っているからこそ、私は積極的に子供と距離を置いています。そのかわり一緒に居る短い時間を、密に過ごすようにしています。(実際は出来ているか微妙ですが…)
②18歳からの障害を抱える我が子の為
移動支援を幼いうちから利用することは将来の障がいを抱える子どもたちのためにもなります。
今のところ、放課後デイサービスの利用は18歳までです。18歳以降に、送迎のサービスが迎えに来てくれる福祉サービスは限られています。子供が18歳にもなれば親も年を重ね、体力的に衰えて当たり前です。そんな中、移動支援は18歳以降も継続して利用することができる優れた福祉サービスなんです。
もちろん、子供達が18歳になる頃にはまた別のサービスが出来ているかもしれません…(人口の減少で働き手の少なさから考えると、微妙な所ですが…)
新しいことを受け入れるのが得意ではない発達障害を抱えた子達は、小さい頃からサービスに慣れておくということは「自立」という意味でも素敵なことだと思っています。
③頼る先を増やしておく為
障がいの有無にかかわらず、子育てのゴールは自立ってよく聞きますよね。しかし、障害があって一人での生活が困難な子の自立って「一人で稼いで食べて行けること」ではありません。
障がいを抱えた子達の自立とは「助けて」といる場所を増やし「頼らせてくれる場所」を増やすことではないでしょうか。要は「自立する為に依存できる場所を増やしておく」ということ。
一か所に助けを断られても、また別の場所がある。そこがダメでもまたほかの場所がある…といったように「頼りになる場所」を一か所に集中させないこと。移動支援は、その頼り先を作るための小さな一歩だと思っています。
障がいを抱えた子の親は苦労が多い?

障がいを抱える子の親って、本当に苦労が多い。苦労が多いのは世間の皆さんも分かっているはずなのに、いざ預けるとなるとどうでしょうか。「障がいある子を預けて遊ぶだなんて」と言ってくる人もいる。
どうしても外せない用事のために、子どもを預けるのは多くの人に許され認められます。しかし、子どもを預けて母親が遊びに行くとなればどうでしょうか。「自分の遊びのために、子どもの世話を他人に頼むなんて母親失格」といった気持ちになるのは私だけではないはず。なんで、そんな気持ちになるんだろう。それは世間の目が気になるから。
でも、そういうのどうなんだろう…気分転換のために遊びに行くことが母親失格なんでしょうか。周囲の人たちは育児から徐々に解放されていく中で、解放されることが少ない障がい児育児を続ける人が、ときに子どもを預けて遊ぶことは悪いことなんでしょうか。
逆ですよ。障がい児育児に限らず大変な人生を背負って生きている人ほど、自分の好きな時間を取らなければならないと私は思っています。身を粉にして辛いことに耐える話は、美しい話ではあります。でも、そうした人生を他人に強要するのは、全く美しくない…醜い考えです。
障がいのある子をたまたま産んだだけで、責任を問われ過ぎるって辛いですよね。障がい児を産んだ以上は、精神的に追い詰められることが当たり前で、その全責任を当事者だけが背負いながら生きていくべきって考えがあるのなら、今の時代でそんな風習は断ち切りたい。
まとめ:個人的ではありますが…
何が言いたいのかというとですね、母親も積極的に「女性として」「人として」生きていくことを忘れないで欲しいんです。「母親」というのはただの肩書です。母親以外の肩書きも大切に生きることを尊重される文化や風習に変わっていってほしい。
その為には「移動支援」のみならず、シッターの文化やそのほかの育児をサポートする制度がもっと浸透してもいいんじゃないかなあと思っています。とはいえ、福祉業界もどこもかしこも、人手不足でなかなかサービス利用が出来ないのが現状ですが、それについては次に書いて行きたいと思います!
今日はここまで!