私は、42歳のひとり親。
自閉症児2人と、12年間暮らしています。
特別支援にかかわる中で、発達障害児には「成功体験を繰り返すことが有効」と幾度も聞いてきました。
言葉をさらに嚙み砕くと…
苦手なことの多い発達障害の子に対し、支援者の適切なサポートを施し本人の「できた!」を増やすという方針。それによって、本人の自己肯定感の高まり、次の不安や課題に対処しやすくなるという考え。
療育に通わせたり特別支援にかかわったりする中で、「成功体験の積み重ね」の話を一度は耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
ただ、これって発達障害に限った特別なことではないですよね。成功体験によって自己肯定感が高まるのは、多くの人にとって普通のこと。
誰にとっても難しいのは、成功体験を得るための「一歩踏み出す勇気」。誰だって、成功体験は得たいけど失敗体験というリスクは被りたくないはずだから。
支援できる側の人は、今一度自分に問いかけてみて欲しい。
何か、未体験のことにチャンレンジをしましたか。
近日、どのような成功体験をしましたか。
どのような不安を克服しましたか。
答えることができないのなら、発達障害児へ向けた「頑張れ」という言葉が、どれほど大変なことか少しは分かるはず。
***
ここで少し、私の考える「夢」の話へ話題を切り替えます。
40歳を超え、自分の人生を振り返ってみると若い頃の夢は壮大でした。
夢とは大きなことに成功しなければ、手に入れられないことだと思っていました。また、誰かの成功を「自分も欲している」と勘違いしたこともあります。
歳を重ねるにつれて、夢は壮大なものから現実味を帯びたものへ変化しました。
「残された人生で、これをやりたい」
「これからは、こんな風にいきたい」
このように考えるのは、時間とお金の重みが逆転し始めた証拠ともいえます。時間が無限にあった若いころとは反対に、時間と体力がなくなり始めた近年。大切にすべきことの優先順位が変わり始めました。
夢を叶えるとは言葉通り、「○○になりたい」とか「海外で暮らしたい」とか、物理的な状況や物を手に入れることと捉えがち。しかし、夢に向かってひたすら走り続けるだけで、想像もしなかったものを手に入れることができると、私は近年知りました。
たとえば、以下のようなこと。
- 予想外の景色を見ることができる
- 新しい自分に出会える(または、知る)
- 達成感を味わうことができる
ただね…この3つは、けして壮大な夢でなくても、日常のちょっとした取り組みの中でも叶えることができる。
毎日学習を続けていれば「新しい自分」に出会えるだろうし、毎日ランニングを続ければ「達成感」も味わえるようになる。継続し続けたその先に偶然のラッキーと出会えるケースも多いために「予想外の景色」も見れる可能性は高かった。
冒頭でもお伝えしましたが、私は、障害児2人のひとり親。時間のない私を雇ってくれる企業はありません。パートで雇って貰えたとしても、体も心がすり減るばかり。そのうえ、子どもの行事にも何も参加出来ないし休日も疲れ切ってイライラしている母親。
考え抜いた挙句、webの中でフリーランスとして生きていく覚悟をしました。今だってけして楽とはいえないけれど、時間の都合がつけやすいという意味では、かなり楽になったと思う。
でも、会社員を続けていては見ることのできなかった経営の素晴らしさ知ることができたし、雇われていては気付くことができなかった視点や可能性も知ることができた。
着実に一歩を踏み出すことが得意になり「私ならできる」「この子たちのためなら何でもできる」と、自己肯定感も高まっています。
***
本題に話を戻すと、「発達障害児の成功体験を積み重ねる効果」は、やっぱり前述した以下の3つにあると思う。
- 予想外の景色を見ることができる
- 新しい自分に出会える(または、知る)
- 達成感を味わえる
特に、3番目の達成感はストックできる。いざ「一歩踏み出すとき」に、ストックしておいた達成感が自信に変わり私の背中を押してくれる。(少なくとも私は)
***
でもね、努力の方向性は間違えないでほしい。定型発達に近づくために、努力する必要はない。あなたたちは支援さえあれば、なんでもできる人なのだから。
不安だらけの毎日を、一歩抜け出すために頑張ってほしい。
できれば少しでも楽に生きて欲しい。あなたには、楽しく生きるほどの価値があるし、誰に何と言われようと生まれてきた価値がある。
だから、人と同じことができないという理由や不安が人より多いという理由で、自己肯定感を潰さないでほしい。
「成功体験を増やすって何だろうな」と、今一度、多くの方に考えてみて欲しいと思います。
今日は、ここまで。
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