障害を抱える子どもと「事件性」について、誰もが考えるべきだと思う

私が「忘れられない事件」と「近日、胸がはち避けそうだった事件」について、記録しておこうと思う。

 

元農林水産事務次官|発達障害を持つ長男を刺殺事件

ひとつは2019年6月に起こった元農林水産事務次官の長男を刺殺事件。殺害された長男は発達障害で、家族に日頃から暴力を振るい家族は何度も怪我をしてしまっていたようです。

 

隣の小学校の運動会の音に「うるさい」と怒りを覚え、他人に危害が及ぶ可能性を感じた父親(元農林水産事務次官)自らの手で息子を殺めてしまいました。

 

その少し前に、朝のバスを待っている子ども達が無差別に襲われるという事件があったためにそうした最悪の事件を避けたいと考えてしまったのかもしれません(真相はあくまで予想)

 

殺人は犯罪です。

 

しかし、両親(元農林水産事務次官ご夫婦)で、長い間発達障害のある息子に向き合い続けてきたと述べられています。元農林水産事務次官ともあろう人がどうして、福祉窓口を頼らなかったのだろうか…とも思いますが、障害を持つ親御さんなら想像がつくでしょう。結局は、最終的な責任は家族で預かってくれるところはパンク状態なのです。

 

公判の結果、元農林水産事務次官には懲役6年の実刑がおりました。

 

先程も述べましたが、元農林水産事務次官という仕事をする中で「制度」や「相談窓口」などがあることは知っていたはずです。活用しても支援は届いて来ないと思っていたのか、自分達が行くことをためらっていたのかなど、さまざまなことが想定できますがそこまで切羽詰まっていたのかと思うと胸が痛い。

重度障害者のひとり親|殺人事件

もうひとつは2020年7月に起こった、重度障害を抱える息子への殺人事件。殺害者は生活保護を受けるひとり親の女性。母親はうつ病を抱えていたこともあり、コミュニケーションの取れない息子の世話に「何もかも疲れてしまいました」と、公判で話されています。

 

息子を殺害した後に、自らも自殺を図りますが死にきれず飛び降り自殺を図ろうとした際、管理人に発見され通報を受け駆けつけた警察官に確保されることになった。

 

公判の中で母親は「(息子は)全てでした。大好きだった」と述べられています。

 

重度障害の息子の世話をひとりで抱え込んでいた母親が、追い詰められた結果として無理心中を図った事件。2021年11月に京都地裁で始まった公判で、判決はこれからとなります。

 

私は先日、この件についてツイートしています。

2つの事件の共通点と相違点について

この2つの事件の共通点と相違点をまとめてみましょう。

共通点

  • 自分の子どもが障害児
  • 親は障害を抱えていない
  • (おそらく)献身的に世話をしてきた
  • (おそらく)SOSを出すことにも疲れた
  • 親が我が子を殺害した

 

相違点

  • 一方は両親が揃っていた
  • 一方はひとり親
  • 一方は、社会的立場がある
  • 一方は、うつ病を抱えている(もしかして双方)

 

障害を抱える子どもと「事件性」について、誰もが考えるべきだと思う

殺人という罪を犯してしまった2人の親御さんですが、報道だけ聞いていると非人道的な人とも思えません。むしろ逆で、熱心に何年もケアし続けてきたのだと思う。

 

元農林水産事務次官に至っては、元々学力も高く経験も知識も一般の人と比べるとかなり高かったことでしょう。また、ひとり親であった母親も、障害ある子の世話を(実際には自分自身の両親の介護もあったようです)生活保護という限られた経済の範囲で取り組んできたはずです。

 

2人とも、自分の子どもに障害がなければ犯罪を犯すことはなかったかもしれない。かといって、障害のある子がいることが問題だとは絶対に思えない。

 

障害のある子が生まれる可能性は誰にだってあり、その支援が行き渡っていれば…手が差し伸べられているべきだったはず。だって、支援がないと生きていけない人たちなのだから。むしろ、支援さえあれば穏やかに暮らしていける人たちなのに、と思えてなりません。

 

自分の子どもや家族が、ある日突然障害を抱えることやその家族になってしまう可能性は誰にでもある。

 

こうした、事件を見ると胸を痛めてしまう。でも、そこで「大変なんだね」「酷いね」で、終わるのではなく「自分だったらどうするか」「この事件を避けるためには何が必要だったのか」「本人の努力だけではどうしようもないときは、どうすべきなのか」を考えてみてはどうかな、と私は思う。

 

これからを生きる子どもたちには、こうした現実と向き合って「自分だったら…」を考えれる人が増えるといいなと思います。

まとめ:私の感想

今回の件は「発達障害者の起こす事件について」紹介したいのではありません。そのご家族が犯罪に至った経緯を紹介するためだけの記事でもありません。

 

社会問題と向き合うということはどういうことか、考えてみて欲しい。自分には関係の内容におもえることだけど、誰にでも起こりうる「障害」のことだけでなく。

 

多額の借金とか、犯罪に手を染めてしまったとか、気が付いたら薬物依存になっていたとか、自分の力だけじゃどうしようもない状況に陥ったとき、どうすべきが最善なのか、どんな問題が裏で起こるのか、誰しもが少し考えてみて欲しい。

 

「あれはダメ」「これはイイ」とかそんな安易な発想ではなくて、「自分だったら、どうしただろう」と、考えてみてください。それによって、これからを生きていく上での気持ちが少しでも変わってくるのではないかと思います。

 

今日はここまで。

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