【特本コラム#18】求めてないアドバイスほど、厄介なものはない

「自閉症には、療育がいい」
「自閉症児には、ABAがいい」
「いや、TEACCHプログラムの方がいい」
「薬は使うべきではない(反対に使った方がいい)」
「偏食には…」
「パニックには…」

 

兎にも角にも
自閉症育児をしているとアドバイスされることが多い。

 

育児の経験年数も長くなりアドバイスを受けることは減ったのだけれど、子ども達が小さい頃は求めてもないアドバイスで溢れていた。少し、何かを信じすぎる宗教争いのようなところもあるなと感じた。

 

求めてないのに。

 

求めてないアドバイスほど厄介なものはない。こちらが伺いを立てたわけでもないのに、彼らはどうしてやたらと人にアドバイスをするのだろう。

 

アドバイスって、求められたときに助言をすることが筋というものではかろうか。個人的には、それが大人のマナーだとも私は考えている。

 

***

 

個人的に、求めてもないアドバイスの厄介なところは、以下のようなことが多い。

 

  • アドバイスはしたがるけど、肝心な問題解決に繋がっていない
  • 自身の押さえられない欲求しか伝わってこない

 

「アドバイス」って形をとられると反論もできない上に、「あなたのために感」が伝わってくるから、お礼まで言わなきゃいけないケースもあり、受け止める側からすると悶々とするし、時間を奪われた感が半端ない。

 

さらに、本当に相手のことを考えてするアドバイスなら、話の中心者はアドバイスされている人のはず。けれど彼らの話の中心は「自己の主張」が中心だったりします。

 

「あなたのためを思って感」満載なのだけれど、本当は違う。何が違うのか。それは「困っている人の問題を解決するため」にアドバイスをしているのではないからです。

 

じゃあ、何のために?
自分の考えを認めて貰うためですよ。
認めない限り延々とアドバイスは続きます。

 

***

 

手前みそですが、私は我が子達に求められないアドバイスをしたことが、ほとんどといっていいほどありません。

 

また、「自閉症児のためを思って」とか「自閉症児を育てるあなたを思って」といったような、求めていないアドバイスに対しても実行したこともありません。

 

なぜなら、私は我が子達に

「自閉症でなくなって欲しい」
「みんなに、ついていけるようになって欲しい」
「もっとしっかりしてほしい」

などと、思ったことがないからです。

 

もちろん、私の方が大人で知っていることが多いために、本人が困っていたら教えることはあります。箸の持ち方とか、交通マナーとか、お金の払い方とか、懸賞はがきのポストへの投函の仕方。

 

かといって、私が偉い訳でもなく正しい訳でもありません。むしろ逆で、全くと言って母親として機能しない私に対しても、子どもたちはいつも肯定的です。失敗だらけの私をいつも許してくれます。

 

私たち親子は一風変わっていますが、「そのままを受け入れ合う」いい関係だと思います。

 

***

 

親としては、求められることを応えられないことの方が多いし、甘えさせてあげることも、関わることも少ない。それでも、私達はお互いのそのままを受け入れる、いい関係の親子だと私は自信を持っています。

 

来年度から、娘が遠くの町の宿舎に入るために、3人暮らしもあと半年となりました。

 

よその家庭より、泣く数も多かったでしょうし、会話数も共に笑うことも格段に少ない。欲をいい始めるとキリがありませんが、このような暮らしも全てが一生の思い出ですし、家族として3人で暮らした日々は、私の生涯の宝物です。

 

ここからは、求められてもいないアドバイスをします(おい!)。

 

みなさんも、これから生きていく中で一緒にいると笑顔になれる人を、一生大切にしてください。一緒にいると、自然と笑える人や会話が楽しくてつい笑ってしまう人って、お金では買えない本当に貴重な存在です。人生における財産のひとつともいえます。

 

アドバイスは押し付けるものじゃない。

 

人はそれぞれ考え方が違うものだから
「あなたはどう思っているの?」
「あなたは、そういう考えなのだね」
「私は、あなたとは違うけれど、その価値観も大切にしたい」

 

人と自分との違いを認め合える風習が根付くといいなと、私は考えます。

 

今日は、ここまで。

 

追記

2021年9月21日㈫
本日から、本年の100日カウントダウンとなります。
私は「一日一膳」を積み上げたいと思います。

 

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