私は、自閉症児2人の母親をしています(ひとり親です)。
おそらく、我が家の娘が2022年4月より100キロ先の他地域にて、宿舎入所・転校をすることが決まりそうなので、気になる費用面・手当面のことを私自身で調べてみました。
✔ 障害を抱えるお子さんを、施設・宿舎に入所させることになった親御さんに向けて
・宿舎日
・現在受給している諸手当
・控除されているもの など
障害を抱える我が子と世帯(住民票)を分けて暮らすことになった場合の「お金にまつわる」ことを紹介する記事となっています。
なぜ、宿舎入所・転校することになったのかは、以下の記事でご確認ください。
障害児が施設入所する場合「受給しているもの」「控除を受けているもの」は、どうなるの?
障害児育児や子育て支援として、国や自治体から福祉の控除やサービス・支援や手当てを受けている方も多いかと思います。
親と子が住民票を分けて暮らすことになったときに、それらがどうなるのか気になりますよね。
子どもと離れて暮らすことになったときに皆さんが気になる(私も気になった)、以下について調べたので解説します。
- 児童手当
- 特別児童扶養手当
- 児童扶養手当(ひとり親世帯)
- 障害福祉サービス受給者証
- 医療費
- 療育手帳
- マイナンバーカード
児童手当
児童手当は、親への支給は打ち切られます。その代わり、宿舎への支給に切り替わります。
宿舎によって使用用途は違うようですが、娘が入所する宿舎は良心的で「娘の通帳に貯蓄していき、退所するときにご両親または本人へお返しします」とのことでした。※詳しくは入所先の宿舎に、使用用途を確認しましょう。
特別児童扶養手当
特別児童扶養手当は、残念ながら打ち切られます。
児童扶養手当(ひとり親世帯)
ひとり親世帯の方が受給している、児童扶養手当も打ち切られます。
ただ、きょうだいが複数人いる場合は「追加分」が打ち切りになるので多い方の受給分は受け取ることが出来ます。加算分が打ち切りとなります。
障害福祉サービス受給者証
放課後等デイサービスや日中一時支援サービスに必要だった障害福祉サービス受給者証は破棄の手続きを行い、児童相談所で障害児入所支援(※1)として「障害児施設入所受給者証」を発行してもらうことになります。
※1)障害児入所支援とは
療育の必要性が認められた障害児を施設に入所させ、自立した生活を送ることができるようになるために指導などを行います。各都道府県が管轄しています。
入所先は、福祉型障害児入所施設と医療型障害児入所施設(医療サポート有り)の2種類があり、いずれも「障害児施設入所受給者証」の取得が必要となります。
医療費
※他の自治体へ移り住む場合にのみ変更となります。
子どもの医療費は、全都道府県・市区町村によって独自の助成が行われています。都道府県では「就学前まで」、市区町村では自治体によりますが「15歳の年度末まで」の助成をしている自治体も多いようです。
また重度障害の子や、ひとり親の家庭の方は別の形で控除・助成を受けている場合もあるでしょうが、これも自治体によって異なります。いずれも、転入時・転出時の住民票変更のときに、医療費についてを確認してみましょう。
市区町村でサポートは異なりますが、どこでも手厚いサポートがあるようなので、急激に医療負担が増えるようなことはなさそうですし、反対に手厚い支援を受ける可能性もあります。
療育手帳
※他の自治体へ移り住む場合にのみ変更となります。
療育手帳は、新しく転入する先の自治体により主に3つのパターンに手続きが異なります。
- 住所変更だけして、療育手帳をそのまま継続使用
- 障害判定は継続して、療育手帳を再発行
- 障害判定をやり直して、療育手帳を再発行
多くの場合、同じ県内での引越しなら療育手帳は住所変更の手続きだけで継続して使用できますが、都道府県を越えて引っ越す場合や、同一県内でも政令指定都市ではそれぞれの自治体制度が違うため再発行になる可能性があります。
自治体の判断に従うしかないのですが、再審査となると親子共々負担がかかります。そのため、厚生労働省が負担を減らす方向に注力はしていて、「申立書の提出」のみで再判定が省略できる場合もあります。
必ず、転出前の児童相談所で確認してみてください!「そのまま使えますよ!」ということであればとてもラッキーですし、転出前の児童相談所でやっておかなければならないことがあったとき、知らずに転出した場合には後にとても負担がかかってきます。
「必ず、転出前の児童相談所で確認!」覚えておいてください!
マイナンバーカード
書く
【障害児施設給付制度】施設入所によって、親が負担するお金
障害児の施設入所に、いくらお金がかかるのか気になりますよね。
基本、費用を大まかに分けると主に以下の3つとなります。
- 施設の月額入所料
- 食費
- その他、全額親負担の備品など
詳しく解説します。
施設の月額入所料
施設入所費は「障害児施設給付制度」が、負担を緩和してくれます。
障害児施設給付制度は簡単に説明すると「国と自治体から利用料の9割が負担されて、自己負担1割でサービスを受けることが出来る制度」です。負担額は前年度の世帯所得によって変わり、サービスが受けられる日数も児によって変わってきます。福祉サービス受給者証と同じですね。
その1割負担も月額上限負担が4段階に分けられています。(自己負担額を超えて支払いを求められることはありません)
◇4段階の階層は以下の通り◇
- 生活保護受給世帯・市町村民税非課税世帯: 0円
- 市町村民税課税世帯(収入がおおむね890万円以下の世帯)→通所施設、ホームヘルプ利用の場合4,600円
- 市町村民税課税世帯(収入がおおむね890万円以下の世帯)→入所施設利用の場合9,300円
- 上記以外(収入がおおむね890万円を超える世帯): 37,200円
文字だと難しいですね。以下は、厚生労働省が出している図になりますので置いておきます。
食費
食費についても軽減措置があります。
医療型入所施設の場合はや医療費と食費の減免があり、福祉型入所施設の場合は食費の減免があります。減免区分は3区分で、減免費用が違います。
◇3段階の階層は以下の通り◇
- 【低所得世帯】生活保護受給世帯・市町村民税非課税世帯 →5万円
- 【一般1】市町村民税課税世帯(収入がおおむね890万円以下の世帯) →5万円
- 【一般2】上記以外(収入がおおむね890万円を超える世帯) →7.9万円
もう少し、図を用いて解説を足しておきます。
施設利用 | 減免 | 措置 |
医療型入所施設 療養介護利用 |
医療費 食費 |
地域で子供を養育する世帯と同程度の負担となるよう、負担限度額を設定し、限度額を上回る額について減免を行います。 ※ 所得要件はありません。 |
福祉型入所施設 | 食費 |
20歳未満の入所者の場合、地域で子供を養育する費用(低所得世帯、一般1は5万円、一般2は7.9万円)と同様の負担となるように補足給付が行われます。 ※ 所得要件はありません。 |
具体的に食費がいくらになるのかは、施設と所得区分によって変わりますが、文字だけだと難しく感じますね…厚生労働省さんから図をお借りして、私が線を引いてお伝えします。
私は食費の理解が難しくて「5万円」という数字に驚いてしまいましたが…顎が外れそうでしたが…(払えという意味かと思った)
先にお伝えしておくと、食費は月々数千円で済むということですのでご安心を。
この赤い矢印の部分の食費の負担で済むということです。
例えば、「一般1」とされている、市町村民税課税世帯で毎月デイサービスなどの上限額が4,600円の世帯の方々は50,000円の措置を受けることが出来ます。我が家の場合、毎月食費が数千円で収まると宿舎の方から言われています。
その他、全額親負担の備品など
その他、実費となるのは
- 洗面用品など
- サイズアウトした服
- 学校の集金 など
日常的なお小遣いなども必要なさそうでした。散髪なども、親である私が一緒に連れていくといった感じです。(移動支援が利用できないために…)
【障害児の宿舎入所】生活に必要となる費用をまとめてみます!
障害児が宿舎入所することになった場合、支給停止となるもの、生活に必要となる費用をまとめます!
・特別児童扶養手当
・児童手当(これは停止ではなく、宿舎へ)
【生活に必要となる費用】
宿舎日 | ◇前年度の世帯収入による
・生活保護受給世帯・市町村民税非課税世帯: 0円 |
食費 | 50,000円または79,000円の減免措置がある その措置は、食費だけに適用されるわけではないが概ね数千円の出費で抑えられる |
お小遣い | 特に必要ない |
親負担 | ・日用品 ・消耗品 ・学校の集金 ・給食費など |
その他、自治体によって独自の減免措置があるかと思います。
申請が必要にはなりますが、お住まいの市区町村の福祉窓口に、受けることが出来る控除や支援がないか相談してみましょう。また、福祉相談支援員の方に聞いてみても詳しく教えてくれるはずです。
【自閉症の娘と母子分離シリーズ】も5回目となり、今回はお金のことをお伝えしました。
これからは7月中に娘を連れて見学、8月の夏休みに体験についてお伝えしていきます。転校手続きや、学校の申し送りがどんなだったのか、放デイや移動支援の解約も、家族としての時間も、お伝え出来ることは全部お伝えしていこうと思います。
我が家の経験が、いつか誰かのお役に立てば幸いです。
6年生として、小学生生活も残すところ8ヶ月となりました。2学期と3学期もいろいろ行事があるし楽しんで欲しいです。
今日は、ここまで。
私は自閉症児2人のひとり親。 娘は特別支援学校の小学6年生。 息子は特別支援学級の小学4年生。 来年度から、施設入所が決まっています。提案したのは医師ですが、決めたのは私で […]
娘は、特別支援学校に通う小学6年生の女の子。 来春、中学校1年生になると同時に、遠くの町の宿舎で暮らすことが決まっています。 医師の「お母さんだけでは育てることが難しくなっ […]
年末です。 今年は、さまざまなことがあって気持ちが揺らいでいます。 文章化が好きな私はブログ上やSNS上の文字の世界では元気にみえるかもしれません。しかし、現実の世界では心 […]