【自閉症の娘と母子分離⑧】家族3人のサヨナラ旅行に行ってきました

私は自閉症児2人のひとり親をしています。

 

娘は特別支援学校の小学6年生、息子は特別支援学級の小学4年生。

 

春先から娘の精神状態が悪くなったことをキッカケに家族全体が崩壊し始めました。結果として娘は、精神科病院へ入院し現在は「生きる力」を付けるために母子分離(要は宿舎入所)の提案を受け、宿舎や転校先の見学に行ったりもしたけれど決心がつかない日々が続く中、悩んだ末に「提案の受け入れ」を決めました。

 

そののキッカケとなった話はこちらからどうぞ。

 

3人で暮らす最後の夏になるかもしれない今年。コロナ禍ではありますが3人で「家族の思い出」を作りに行きました。特に、誰かの役に立つ内容ではないから書こうか迷いましたが、やっぱり「書いておこうかな」と思います。私の人生にとってはとっても大きな思い出のひとつだから。

 

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私は夏が大好きです。喋ってくれたことがないから分からないけれど、娘も夏が好きそうです。夏っぽい柄のワンピース、海、かき氷と、どのシーンをとっても冬に見る彼女よりイキイキとして見えます。

 

コロナ禍で県外に出ることも難しい中、7月下旬に急に「翌週の連休を利用して3人でどこかに泊りたいな」と急に閃きました。地方の観光地ということもあり、コロナ禍とはいえ近隣の旅館は予約でいっぱい。しかし、携帯の電波も届くか微妙な山の中の宿泊施設には空きがありました。

 

暮らしに余裕があるわけでもない、金銭的に厳しいひとり親の家族旅行。また、自閉症児2人を私一人で旅行に連れていくことについても、心的には厳しいと感ていました。そんな気持ちを抱えながらも「このまま娘が自立してしまえば、今後3人で暮らすことはなくなってしまうかもしれない」という思いから、迷うことなく宿の予約を入れました。

 

非日常が苦手な娘には申し訳ないけれど「3人で思い出が欲しい(旅行に行きたい)」という、「私のエゴ」を、家族最後の夏に貫きました。

 

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旅行当日。

 

県堺に近い山奥までは、信号も少なく車で約1時間。娘の誕生日も近かったために宿泊施設にお願いし、ケーキを買って持ち込みさせてもらいました。※Wi-Fiが有ることを事前に確認しタブレットやswitchを持って行って「何もすることのない時間の苦手な娘」の対策も取っています。

 

ホテル着後、ばねの強い個々のベッドに喜ぶ子ども達。とはいえ、3つのベッドがあるのに私のベッドにくる娘。

 

いつもそっけない娘ですが、こういう行動をみると「私のこと好きでいてくれてるのかな」と嬉しくなります。食事をとったあとに、娘と露天風呂へ(息子は男風呂へ一人で…成長です)。大きなお風呂の中で、私に体を寄せてくる娘に自分がどれだけ子どもに救われてきたのかを心から理解しました。「育てさせてくれてありがとう」と、家族になれたことを噛みしめていたら涙が止まらなくなりました。

 

夜は、毎日飲む精神薬と頓服をいつもより少し多めに飲ませてぐっすり寝せました。そのお陰か、非日常でありながら夜も起きなかった娘。

 

 

私はゆっくり寝るチャンスだったのに、早く目が覚めて、以下の光景をしばらく眺めていした。「楽しかったかな、この子たち」と思いながら。

 

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自閉症の子は才能があるとか、なにか特別なものを持っていると言われがちです。この子たちが人より優れた才能があるのかどうかは、私には今のところ分かりませんし、実のところ我が子の才能など気になりません。

 

だって、自閉症でもそうでなかったとしても「ひとより優れたことがいっぱいある人生」より「楽しいことがいっぱいある人生」の方が素敵じゃないですか。どちらかの人生を選べるなら…また、どちら一方しか選べないなら私は後者を選びたい。

 

出来ないことは助け合えばいい。私はいつでも、この子たちの味方であり、助ける側にまわる人間として生きたい。

 

育児に追われる毎日を送っていると、子どものために自分を犠牲にして頑張ってきたように思い込んでいがちですが、本当は逆。いつも私を許し、失敗だらけの私を受け入れ続けてくれていたのはこの子たちだったのだと、改めて知ることも出来ました。

 

「本当に忙しい育児人生だな」と思うと同時に、そのように思わせてくれる育児の機会を与えてくれた子ども達には感謝の気持ちでいっぱいです。

 

 

 

一方で私は、自分の全てを犠牲にして頑張ることが正しい母としての姿だとは考えていません。子育てとは「母親の責任」「犠牲」などでは片づけることが出来ないほど、複雑なものであることを育児を通して知りました。

 

子どものために自分の時間を犠牲にして多くの責任を抱え過ぎることが好きな人もいますが、私はそうではありません。「自分らしく生きる」という暮らしを確立しなければ、子どもの前で笑うことすら出来なくなるような人間なのです。それは、子どもたちのことをどんなに愛していても譲れない。反対に譲ってしまうことで、「依存」という歪んだ愛情で子どもを育ててしまうかもしれない。

 

自分らしくいることで、自閉症の世界を理解したいと思える。自閉症の全てを受け入れたいと思える。母親としてはダメなところだらけですが、自閉症児の家族としては、私の性格はぴったりだったのかもしれません。だって、今でも3人で力を合わせて生きることにワクワクする。

 

 

我が家の、てんやわんやの暮らしを見ながら、自閉症育児や苦しい毎日を過ごされる方が少しでも救わるかたがいれば幸いです。すぐ泣いてしまう心弱いひとり親と自閉症児2人が切磋琢磨する毎日を見て、誰かの「私も頑張ろう」と思う力になりたいと、心から願っております。

 

2021年8月8日(オリンピック閉会式日:我が家の旅行より)

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