【読本コラム#7】私のピークは60歳!還暦が楽しみだ!

「もう若くないし…」
「歳って嫌だ…」
「老けた…」

 

と言ったたぐいの会話が、あまり好きではありません。
「若いっていいね」と、若い人に向って言うのはもっと好きではありません。

 

なぜなら、私の人生のピークは「50代か60代にやってくる」と思っているし、今過ごしている40代をどのように過ごすかで「50代には何がおこるかな」と、少しワクワクしているからです。

 

こう話すと、とてもポジティブな人に思われますがそうでもありません。体は老いを素直に表現するようになり、病気が怖いし健康にも気を遣うようになりました。肉体的な無理を重ねることも、若いころと比べ体に堪えます。

 

さらには、経年変化と共に人として心が穏やかに柔らかくなるというメリットがある反面、ショックを受けたときの立ち直り・気持ちの切り替えが難かしくなったなと感じます。

 

***

 

誰しも生きていると「なぜ、こんなことに…」「つらすぎる」「涙が止まらない」ということが何度かあるはずです。

 

 

私のことをお話しすると、自閉症育児をする中での理不尽さにはかなり慣れました。公共の場・集団の中での、ぞんざいな扱いにも「仕方ないよね」と、思えるほどに慣れてしまっています。

 

その代わり、育児以外で辛い目に合った場合にはめっぽう弱くなったと感じます。40年以上生きて、人並みにつらい経験も乗り越えたつもりです。それでも、生き方そのものを否定されたり、いわれのないことで責められたりするのはつらく耐えがたい。「私なんて、生きている価値がない」と、落ちるとこまで落ちるときがある。

 

私だけでないはずです。暮らしの中にある当たり前だった何かを失ったとき、人にぞんざいに扱われたりしたとき、人は一瞬で弱くなる。自分の中にある強さや自己肯定感なんて一気に崩れ落ちる。それくらい、人間は脆い(もろい)生き物なのです。

 

そんな人間の弱さを、周囲でも自分の中にも数多く見てきました。だから、つらいことが続き、寝れなくなり、食べれなくなりしたときには、数日それが続く前に自分で何らかの手を打ち気を立て直すことがとても大切。

 

気持ちを立て直すってポジティブ思考になるということだけではなく、怠けてみたり、投げ出してみたり、SOSを出すことも含まれます。そうでもして藻搔かなければ「通常の私」に戻れなくなる可能性は誰にでもある。私は、障害児2人のひとり親という責任看板を背負う人生に、潰れないためのアンテナは常に張って生きているつもりです。

 

***

 

30半ばくらい頃、そうした経験の中で自分の中に沸き起こるとある感情に気が付いた。それは、20代では感じなかった「もう若くないし」という気持ち。

 

まてよ?

 

これは、おかしいのではないか?
固定概念なのではないか?????

 

「若いときだけがいいのか?」
「老いるのは悪いことなのか?」

 

仮にそうならば「人生のいいときが、あまりにも短くないか?」ということに気が付いてしまいました。たしかに加齢で、衰えていくのは怖いし嫌だ。代謝も悪くなり、白髪もしわも出てきた。若さが完全に失われつつある。

 

しかし、よく考えれば見た目の若さを手放したことで、得たものが非常に多いな…と。それが何かと聞かれれば、「思いやり」「経験」「マインド」「落ち着き」など、目に見えないものばかりで、周囲には伝わりづらいし、若い人には理解できないかもしれません。しかし、本当に大事なものは目には見えないものなのです(星の王子さまも言ってたな、パクってしまった)

 

その目に見えない「自分の中にある何か」に気付ける人って魅力的だと思う。経年変化でしか得ることが出来ない、目に見えない素敵な何かが今後もどんどんと増えていくのならば、私の人生のピークは50代か60代にくるのではないだろうか。

 

そのように考えるようになってから、私は40歳を迎えたときにも「二度目の二十歳だ、まだ若い若い」と、威風堂々としていました。「私の人生のピークは50代・60代辺りだな」と思うことで「もう若くないし」「あの頃はよかったな」などと思う気持ちが消え、スムーズに年齢を受け入れながら生きている(気がする)

 

「死」や「病」は怖いから、老いるのも怖い。でも、それは人として避けて通ることが出来ないこと。だったら、将来に怯えながらいきるのでもなく、将来のために今にブレーキをかけながら生きるのでもなく、今を大切に生きなければなりません。

 

とはいえ、強く魅力的な人たちが声を揃えて発信する「今」を大切に生きるって、意外と難しい。意識していても難しい。だったら「自分の人生のピークはこれからやってくる」と思えば、少しだけ「今を楽」に出来るのではないでしょうか

 

良いときも悪いときもあるのが人生で、それは「老い」と同じく避けて通れない。だからね「楽しく」を意識ってより「楽(らく)に生きる」を意識の方が大切なのだと思います。

 

私もあなたも、人生のピークはこれからやってきます。
若い人に向けて、中高年が発する「今が一番いいときだね」なんて嘘です。

 

今日は、ここまで。

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