【読本コラム#12】障害者の居場所「障害者福祉制度の課題」

年々増えていく、福祉制度。多様化した制度とその制度の中で働く労働者も増え続けているののに関わらず、多くの障害者家族が一般的な暮らしを手に入れることはとても難しい。

 

多くの定型発達者が当然としている日常が、私たち障害者一家には程遠い夢のようにも思える。

 

それは、なぜでしょうか。障害者の親として、現在の制度の気になることを書き綴っておきましょう。

 

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率直に言うと「制度が古いんだよな」というのが私の見解です。制度は増え続けているのに、制度の根底にある考え方が古い。

 

時代背景も大きく変わり、人口推移もかわり、核家族化も進む中で、制度も多様化しようとしているのは分かります。障害者の暮らしをよくするために、見直しが何度も行われているのは伝わってきます。

 

障害者のことを思って、法の改正や制度の幅を広げて貰えるのは本当にありがたい。誰かが声を、あげ続けてくれたお陰だと胸が熱くなります。

 

ですが、「障害者の生活の質向上」「障害者の暮らし」にしかポイントを置いてない制度ばかり。

 

だから、障害者家族が報われることや、みんなと同じような暮らしを手に入れることが程遠いと感じてしまう。要は、障害者の親のことを考えた制度はほとんどありません。「家族が受け入れるのが当然」「制度はあるのだけれど、人手不足で制度が足りない場合には家族が迎え入れる」それが、当然だと。

 

時代背景も大きく変わり、核家族化が進み、近所や地域社会で子どもを育てるといった概念は消えつつあります。

 

現代人家族の暮らしを知らない人は、ワーママの大変など、いくら伝えたところで伝わりません。障害の有無に関わらず、育児そのものが、ひと昔前と比べて本当に大変になってる。ワーママなんて、みんな何とかこなせているから問題視されないだけで、出産を経た人間がこんなにも歯を食いしばって育児して、働いて、睡眠削って「おしん」の時代に逆流中ですよ。社会問題・人権問題級の大変さ。

 

子が障害者の場合は、母親の苦労は「おしん」どころではありません。さらに上を行きます。

 

その大変さを緩和しようと、何度も見直しをして作られる制度の根底は「最終的に家族が迎え入れることが当然」の制度。ここは、変わっていかない。

 

誰が作ってんのこの制度?
昭和生まれの人?
ワーママしたことないの?
育児したこと無いの?

 

と、思えてなりません。

 

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別の視点から、お伝えしましょう。
以下は、近年の無差別殺人事件です。

とき 場所 犠牲者 事件
2019年 川崎市多摩区
小田急線登戸駅周辺
スクールバスを待っていた私立カリタス小学校の児童ら19人 男に次々と刺される事件
犯行者の男性も現場で自分の首を指し死亡
2019年 東京都練馬区 44歳無職の男性 元農林水産事務次官の父親が、無職の長男を刺殺
2016年 相模原市
知的障害者施設
「津久井やまゆり園」
津久井やまゆり園の障害者の方々 元職員による大量殺傷事件
犯人は「意思疎通のとれない障害者は安楽死が必要だ」「重度・重複障害者には莫大なお金と時間が奪われる」などと発言

 

とくに、私が印象的で制度に対する違和感が大きく変化したのは2番目に記載した元農林水産事務次官の父親が、無職の長男を刺殺事件。

 

元農林水産事務次官である官僚の息子さんは、精神に問題を抱えて母親をはじめ家族に暴力を繰り返していたとのこと。それによってご姉妹の結婚が破棄になったりしていたそう。聞いただけでも胸が痛みます。

 

長男Eは外出せず、オンラインゲーム等をして引きこもり状態の生活をしていた。父親Kの逮捕時の供述によれば、事件当日に近所の小学校の運動会の声がうるさいと腹を立て「ぶっ殺す」と発言したことから、自らが殺されるという恐怖心と、3日前に起きた川崎市登戸通り魔事件を思い出して「息子も周りに危害を加えるかもしれない」と不安に感じ、刃物で長男Eを殺害した。

引用:Wikipedia>元農林水産事務次官事件より

 

官僚という立場であれば、相談窓口もあることも知っていただろうし、一般的な親の何倍も知見があったはず。では、なぜこの父親は動かなかったのでしょう。

 

世間帯?
立場?

 

そんなものは、遠の昔に捨てたんじゃないかなと思う。だって、自分も死ぬかもしれない、または息子がが犯罪者になるかもしれない暮らしを数十年続けてきたわけだから。

 

じゃあ何で?

 

私は、官僚という立場のお偉いさんでさえ、どこに相談しても最終的には自分たちが受け入れるしかないと、制度と法を熟知してたからなんじゃないかなと、私は思いました。

 

この日から、私は「障害者の家族に対する制度」がないことに物凄く過敏になった。ニュースになって、社会問題として取り扱われたるけど制度は変らない。もちろん、人の命を奪うことは絶対あってはならないことだけど、そこまで追いつめたのはだれ?助けなかったのはだれ?

 

被害者の息子?
奥さん?
国?

 

現在グレーゾーンと呼ばれる子達はとても増えています。私の息子もその一人。私達親は、この子達がこのまま純粋に育つと信じていますし、支援する側も「自立」を目指して支援に関わっていきます。

 

私自身、障害に重いも軽いも無いと思ってはいますが、実際には誰が見ても分かるほど支援が必要な人が優先され、表面的には自立が必要だけれども生活を熟す程度の自立が出来てしまうために「支援」や「医療」から見放される人もいます。

 

今後もっと増えることとなるでしょう。制度はこのままでいいの?

 

「人権」を称える人たちは、精神に障害を持つ人たちの監禁は反対するけれど、だからといってその後の支援も解決方法の提示もしない。「自立できてよかったね」「家に帰れてよかったね」と、そこでハッピーエンドにしてしまう。

 

だって…
帰る家がない人もいるでしょう。
帰っても受け入れて貰えない人も要るはず。
帰っても世話できる親の方が健常でない介護が必要な場合もある。

 

私はひとり親ではありますが、今のところまだ元気です。今のところ子ども達のことを愛しています。でも20年後、私が自信をもってこの子達を受け入れれるのかどうかは分からない。愛だけではカバー出来なくなっているかもしれない。

 

障害者当事者のことも勿論だけど、その家族のための制度について、考えていく必要があると思う。

 

今日は、ここまで。

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