【自閉症の娘と母子分離|2学期編⑤】私達3人の「コミュニケーション」ツールは太陽の下

私は1979年生まれの40代で、自閉っ子2人のひとり親をしています。

 

来春、中学校1年生になると同時に、100キロ先の町の宿舎で暮らすことが決まっています。

 

医師の「お母さんだけでは育てることが難しくなってきています」という、母子分離の提案。始めは受け入れることができませんでしたが、「支援者の中で生きる力をつける」という正論が頭から離れず提案を受け入れ、現在は転校・引っ越しの準備中です。

◇母子分離していく過程について詳しくは>>>>>>こちら

3人で夕方の海岸でおやつを食べたり、夕日が沈むのを見ながら、この12年間の育児に思うことがあったので書き綴っておきたいと思います。

 

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私たち3人は外にいることがとても多い。青空の下、太陽の下、海や山、草花に囲まれた中で過ごすことが多い家族です。

 

息子が生まれてから数か月のあいだ「娘が自閉症診断を受けていない状態」の頃がありました。要は、子ども達が定型発達児だと信じていた育児経験が私にもあります。

 

とはいえ、母親の感とでもいうのでしょうか。その頃から、娘が人の少ない自然の中で広い場所(特に海岸沿いや人の少ない公園)だと落ち着いていることを母なりに気付いていました。

 

自閉症と診断されてからも、3人で人気の少ない公園を探し求めたり、人の少ない時間の海岸を歩いたりをずっと続けてきたために、私の育児の思い出はいつも太陽の下です。

 

会話が出来ないから
手を繋げないから
これは、私たち3人の
「歩くというコミュニケーションなのだ」

 

そう思うようにしていましたし、唯一3人が同じ方向を見つめて進んでいる感じが私の些細な育児の喜びでした。

 

娘が夜中に起床し続けるつらさやパニックになり他害や自傷を繰り返す苦しみ。そして、子どもの目の前で泣く私。そうした自分の不甲斐なさを、外という自然が救ってくれていた気もします。

 

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「子どもの発達の遅れを親が認めない」と耳にすることがありますが、当事者の私からすると「障害受容」はそう簡単なことではありません。たとえ「自閉症」を受け入れたとしても、自閉症の子との暮らしが楽になるわけでもありません。日々止まることのできない自閉症児育児はもっとつらい。

 

 

問題行動だけの話ではありません。我が子なのに「手を繋いでもらえない」「会話が出来ない」「求められない」「目が合わない」。親として思い描いたものの多くが、音を立てて崩れていく。そうした自己のつらさとも向き合わねばならないのです。

 

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今から10年前、インクルーシブ教育の導入された支援最先端の幼稚園に通っていた娘と息子。それなのに、親子共々孤立することが多かったようにおもいます。誰が悪いわけではない、時代が時代だったために、私も娘・息子も教職員の方々も全てが手探りでした。

 

幼稚園行事の「無理して参加されなくてもいいですよ」といった配慮が親としてどれだけ苦しかったことか。「うちの子は、参加しなくてもいい子なの?」と…。

 

あれから、長く時間がかかりましたが、「よその家族に追いつこうとしない」「自分たち一家の特性に逆らわず生きる」ことを優先すると気持ちが楽になりました。

 

 

誰しもに、いえます。持って生まれた特性は変らないから、それに逆らわないのが一番生きやすい。

 

本人の努力だけではどうにもならないのに、頑張り続けることほど苦しいものはありません。とはいえ、支援の足りぬ中で社会と共存しなければならない。だから、時間をかけて対処法を学びながら生きるのです。

 

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この10年で、子ども達は私の何倍も成長しました。心も体も。そんな、頑張る2人の成長を一番近くで見せて貰えたことは、大変だったけど振り返ってみると、本当に貴重な経験。

 

 

「娘といるのが大変だ」と、散々に愚痴をこぼす私が、どれだけ娘に依存し彼女の存在に救われてきたか、残り半年になった今だからこそ思い知らされています。

 

寂しさを感じれる人生は、大切な人がいる証です。お母さんにしてくれて、ありがとう。外でいっぱい遊べて幸せです。

 

あと半年、いっぱい太陽の下で遊ぼうね。

 

 

今日は、ここまで。

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