こんにちは、さおりと申します。
私は、この子たちのひとり親をしています。
👧2009年生まれの特別支援学校に通う、自閉症の女の子
👦2011年生まれの特別支援学級に通う、自閉症の男の子
自閉症児の我が子たちが、11歳と9歳になって思うんですよ。
大人の10年と子どもの10年では、もう本当にありとあらゆる面において伸びしろ率が違いますし、子どもの期間って本当に大切なんだな~と身をもって思います。
しかし自閉症児といってもそれぞれに違うし、子育てに正解はありません。でも実際に育ててみると、10歳になるまでの間に「もっと、こうしておけばよかったなあ」と思うことがたくさんあって、そういうの先に知っておきたかったなあと思ったんです。
で、今なら私は伝える側として立ち回ることが出来る(そんな立派なお母さんではありませんが…)。
今回は、自閉症児10歳までにやるべき6つのこととして、発達障害や自閉症の子を抱えたご家庭が穏やかに過ごせる時間が増えますようにと思い筆を執っていきたいと思います。
※あくまで我が家の自閉症児育児を振り返っておもうことなので、その辺りご了承ください。
自閉症児|10歳までにやるべき6のこと

「やるべきこと」と題していますが、実際は私が「もっとこうしておけばよかったなあ」とか、「これはしておいてよかった」と思うことを中心に書いて行きたいと思います。
さっそく、見ていきましょう。
支援に頼る・関り先を増やす
我が子をしっかりさせたいと思うがあまり、「ひとりで何でもできるようにしないと」「自立にむけて育児させなきゃ」というような考え方は勘違いです。
障がいを抱える子を自立した大人に成長させたいと思うのならば、「依存先」を増やしましょう。「自立と依存」とは相反する言葉に聞こえますが、誰かの助けをかりながら出来ることが増えるって、それは凄いことですよ!だから、ここで言う依存先とは「頼り先、関り先」ということ。
~障がいのある人にとっての自立~
- 自立=依存できる場所が多い
- 困り感が多い=依存できる場所(頼る先)が少ない
でも、こういうの障がいを抱える人だけじゃなくて、一般的にも良くある話で…。
子どもがお母さんに怒られてしまった場合に、お父さんや兄弟、おじいちゃんやおばあちゃんという逃げ場的な頼り先があれば、メンタル面回復も早いんです。
反対に逃げ場がないような状況であれば、気持ちの切り替えに時間がかかるりますし、「頼るべき人」と「自分を責めてくる人」が同じって結構きついですよね。なんだか職場のよう…
小さいうちから支援先や頼れる場所をたくさん作っておくことで、本人も気持ちの逃がし方や辛いことの回避方法を覚えていくはずです。
そうしたことは、大人になっても体が覚えています。生き辛さを抱えた自閉症児達が、苦手な人や場所を我慢しすぎるのではなく「ここなら頑張れそうだ」と思う場所を見つけることに繋がるといいなあと本気で思っています。
自閉症児への正しい知識を身につける
ここでいう自閉症児の正知識を身につけるというのは、自閉症のことをいっぱい勉強して自閉症の特性を知ることではありません
個人的には基本的に障がいについての情報を得れば得る程、色眼鏡を通して我が子を監視するようになるのであまりお勧めしません。情報で頭でっかちになるのではなく、お母さんが目の前にいる我が子のことを「人として」良く知るということです。
この子は「自閉症だから」と思いながら過ごすのではなく、「この子はどんなことが苦手で、どんなことが不得意なのか」「どういう環境なら、生活しやすいのか」「その為に私がサポート出来ることは何なのか」を親である自分が知ること。
そして、周囲に発信していけることって大切だと思います。
周囲と自分達を比較しないこと
実際に自閉症児の母親をしていると、孤独を感じることが沢山ありました。
幼稚園や保育園のなかでは、自分の子と周囲の子との成長の差を比較して寂しくもなったものです。それに、公園では定型発達の子達は子ども同士で遊び始めます。その間ママ達は、遠目に子どもを見つめながら木の木陰で談笑しています。
障がいある子の親である私はどうだったでしょうか。
いつお友達に危害を与えるかわからない我が子から目が離せず、いつ道に飛び出すか分からないという我が子のあとをついて歩き、なんだか歩き始めたばかりの赤ちゃんといるよう。
談笑して仲を深めるママ友や、子ども達同士で笑いあう定型発達の子を横目に見て、どんどん虚しく孤独な気持ちになっていきます。私は、周りをずっと羨ましいと思っていました。
ですが、自分自身も自閉症児の育児に少し慣れ、歳を重ねて思うことがあります。周りについて見えているのは、生活のごく一部です。目に見えている部分は輝いて見えても、それ以外の「家族」「仕事」「健康」では苦しいことがあるのかもしれません。
自分の人生を生きましょう。自分の人生とは自分が主人公であることです。自分が笑って輝いて過ごすためには、周囲と同じ生き方を求めるのではなく、障がいのある子を育てるのは大変ですが、その中でどうやってすごせば笑って過ごせるのか考えましょう。
社会性を勘違いしないこと
もうひとつは、社会性の意味を取り違えないようにして下さい。障がいを抱える子の親は特に「なんでこんなことも出来ないんだろう」「我が子に社会性を身につけさせないと」…と、必死になりがち。
自閉症の子をつれて公共の場に出かけたときには、人に迷惑をかけることも多いですし、「やっぱり、社会性がないからだ」と思いがちです。でも、私の考えは違います。
日本って一律すぎるんです。右を向いても左を向いてもだいたい日本人。人と自分が同じかどうかを確認しあうような会話や、生活。少し違った格好をすれば白い目で見られたりということも未だにあります。
でも、世界基準でみれば人種や宗教、生き方に多様性があるのが普通です。きっとこれからは、日本もダイバーシティとなっていくと思いますし、多様性の受け入れは避けて通れない問題です。
だから、社会性って一体何なんだろうなと…もう一度考え直してみてください。私は、社会性とは周りからはみ出さないようにすることではなくて、人にはそれぞれに違いがあるんだと理解することだと思っています。
長期的な戦略を作る
子どもを育てていると、誰かが作った育児のレールの上を歩きがちです。
その目に見えないレールが存在することで「このレールを辿るのが普通だよ」「このレールを歩いておけば安心だからね」と言われているように感じるときもあります。逆に「このレールからはみ出したら大変なことになるよ」と言われているように感じるときさえあります。
でも違いますよ。もっと、長期的に物事を考えましょう。今の日本は豊かすぎることや、インターネットの普及により、情報がありすぎて正直しんどいときがあります。
みんなが「これが正しい」と思っている育児のレールを辿って行けば、20年後もかわらずに輝かしい生き方を手に入れることができるでしょうか。私は、そうは思えません。
時代のスピードも速すぎるので、将来像や色んなことが確実に変わっていくでしょうし、個人の考えやあり方も確実に変わっていくと思います。
だから、どんなに用意周到にしておいても先のことは誰にもわからない。
そんな変わりゆくゴールの為に敷かれたレールの上を歩かせるのではなく、この子が将来も元気でイキイキと生きていくために「今できることってなんだろう…」それを考える余裕が親として大切だよなと思っています。
時に、親であることを忘れて、楽しめることを見つける
子どもを産むと「親」になります。親というのはあくまで肩書で、あなたにはあなたとしての人生があります。
だから、ひとりの人間として、時に親であることを忘れれるような時間をつくりましょう。
子どもに依存し過ぎないように、そしてその依存が子どもにとって重すぎるものとならないようにするため。親である自分が、ときに羽目をはずしたり、夢中になったり、何かにチャレンジするような時間を作って下さい。
子育てをしていると「子供の好きなことを見つけましょう」「子供の得意なことをさがしましょう」と言う言葉を耳にしますが、子供は好きに生きますし、得意なことも自然に見つけます。
お母さんも子育てが一区切りついたときに「育児ばかりしてきた○○さん」とならないように、「○○が好きな人」「○○を頑張る人」と自分を自己紹介することが出来る人になるって大事だと思うんですよね。
親がイキイキしていれば、子どもだって嬉しいはずです。子どもというのは親のいうことはききませんが、親の姿はよく見ています。
まとめ

以上、自閉症児が10歳までにやるべき6の事をお伝えしてきました。
もう一度、まとめておきましょう。
- 支援に頼る・関り先を増やす
- 自閉症児への正しい知識を身につける
- 周囲と自分達を比較しないこと
- 社会性を勘違いしないこと
- 長期的な戦略を作る
- 時に、親であることを忘れて、楽しめることを見つける
これで、自閉症児を育てやすくなるの?と思うかもしれません。
すいません、タイトルはここまで読んで貰うために嘘を書きました。でも「育てやすく」はならないかもしれないのだけれど、これらをじっこうしていると「お母さんが生きやすく」なります。4
自閉症育児は、子ども達が10歳前後になった今も多少は楽になりましたが、まだまだ大変です。そして、その大変さをいくら周囲に伝えても、全く理解して貰えないことも多いです。
周囲に理解して貰えず、障がい児の育児がずっと続くなんて嫌だなあと、悲観的になることもあります。でも、そうした時こそ「自分にとって何が大切で、誰が味方なのかをよく知ることができる」チャンスでもありました。
周りに合せすぎる人生を手放し、よく考えて、少しでも自分が穏やかに過ごせる環境に身を置いて行きましょう。
もし私でもよければ、味方として仲間に入れてください!
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今日は、ここまで~♪