【特本終活:障害者の親亡き後#4】お金編③:お金を管理する方法①「成年後見制度」

✔私は「終活ガイド上級取得者」であり、「小学生の障害児2人のひとり親」です

✔この記事は【特本終活:障害者の親亡き後】としてシリーズ化しています

✔今回は、4回目で「親が残したお金を管理して貰う方法」を紹介

 

 

障害者の親亡き問題はとっても不安になりますが、ざっくり要約するとポイントは以下の3つとなります。

  • お金
  • 住居
  • 困ったときの支援

※詳しくは、【特本終活:障害者の親亡き後#1】何をしていけばいいのか?!に記載してあります。

 

今回は、第3回の「お金の残し方」に続き「お金を管理して貰う方法」のひとつ、「成年後見制度」について解説します。誰かのお役に立てれば幸いです。

親亡き後の障害者|お金を管理する方法

障害者の親亡き後の「お金」のことは、誰もが心配になると思います。以前にも繰り返しお伝えしていますが、障害者にお金を多くのこすことよりも「お金を障害を抱える我が子のために使って貰える仕組み」を残しておくことが大切だと私は考えます。

 

そこでポイントとなるのが

  • お金の残し方
  • お金を管理する方法

※「お金の残し方」については、前回の記事で解説しています。

 

 

今回は、「お金を管理してもらう方法」は、主に以下の3つ。

  • 成年後見制度
  • 日常生活自立支援事業
  • 法人後見  など

 

もう少し細かく分類すると…

管理方法 種類 内容
成年後見制度 ・法廷後見
(後見・補佐・補助)
・任意後見
・財産管理として障害者本人の財産の維持と管理
・身上監護として、施設入所などの手続き手配
日常生活自立支援事業
法人後見など
同左 ・日常生活に必要なサービスを、契約に基づき(施設利用・金銭管理など)サポートして貰う

ここでは記載していませんが「法人後見」などもあります。今回は、この内の成年後見制度について解説します。

お金を管理する方法|成年後見制度・成年後見人とは

「成年後見制度」と「成年後見人」も、障害を抱える子の親亡き後に「お金を管理」してくれる制度です。※成年後見人は、障害者だけでなく認知症など、さまざまな方をサポートする制度でもあります。

 

Q:成年後見人とは何をする人なのですか?

成年後見人とは、主に「財産管理」と「身上監護」をしてくれます。

 

財産管理 障害者の財産の維持と管理の両方を目的としています
※施設の利用料支払いや生活費の管理、日常のお小遣いを本人に手渡すなど
身上監護 施設入所や制度の申請手続き・入院手続きや手配を目的としています
※成年後見人自ら世話をすることはありません

 

我が子に、知的障害や精神障害があり「お金の管理や判断」が1人では難しい場合に準備しておくと安心な制度です。

Q:成年後見人には誰がなるのですか?

弁護士や司法書士といった専門職の人がなります。

 

「本当に任せて大丈夫なの」と言った親の不安や不正防止のために、1年に1度、成年後見人がどのような活動をしたのかを家庭裁判所へ報告する義務があります。(自治体により差がある)

Q:成年後見制度を活用するには、費用がかかるのですか?

成年後見人制度を活用するには費用がかかります。

 

相場は月々1万円~2万円と言われています。※都道府県によっても差がありますが、ある程度の目安がホームページなどで公開されています。

 

~私が考えるポイント~

障害基礎年金は、けして「十分に生活できるほどの額である」とはいえません。成年後見人制度を利用することで、障害者本人の収入がさら削られてしまいます。

 

親が管理していれば、この月額費用は発生しないために多くの方が制度活用を躊躇してしまうのが現実であり課題のひとつでもあります。ただ、親が急に他界した後のことなどを考えると知っておくべき制度であると、私は考えます。

Q:成年後見制度・成年後見人を信頼してもいいのでしょうか?

ニュースなどで、成年後見制度の専門職の方の不正や横領の記事が取り上げられたこともあります。

 

後見人に悪いイメージが染みついている人もいる人もいるのが現実です。家庭裁判所も、再発防止対策として「後見制度支援信託」や「後見監督人」を打ち出ししています。

 

後見制度支援信託とは,被保険人の資産を信託銀行に預けて、後見人も家庭裁判所の許可が無ければ下ろせない制度です。

これは「資産を多く持っている人」が対象となります。

後見監督人とは、後見人の業務を監督する人のことで選任が必要かどうかは家庭裁判所の判断が必要です。

後見監督人には、弁護士や司法書士と言った専門職が指名されますが、後見制度からさらに後見監督人への費用がかかるため懸念される声も多いようです。

成年後見人をもう少し詳しく|「基本理念3つ」と「成年後見制度の3類型」

成年後見人については、深く伝えだすとキリがありません。

 

これだけは押さえておいて欲しい「成年後見制度」のポイントは主に以下の2つとなります。

  • 成年後見制度の3つの基本理念
  • 成年後見制度のの3類型

詳しく解説しましょう。

 

成年後見人制度の3つの基本理念

成年後見制度は判断能力が不十分な障害者や高齢者を守るために、本人に代わって法律行為をする人を事前に決めておく制度です。

 

その理念3つを、最初に知っておきましょう。

基本理念 理念の概要
現存能力の活用 本人の持っている力を最大限に生かして自分らしく生きる
自己決定権の尊重 ・自分のことは自分で決めることが出来る
・その意思を、見んンで尊重する
※成年後見人は決定をする人ではなく、意思決定の支援をする人である
ノーマライゼーション ・障害のある人が障害のない人と同等に、可能な限り地域社会の一員としてイキイキと活動できる社会を目指す
・通常の生活を送れるような環境や仕組みをつくること

 

さおり
私は個人的に、最後に紹介したノーマライゼーションの概念に強く共感しています!
この基本理念を守りながら本人を保護する制度が「成年後見人制度」となります。

成年後見人制度の3類型

成年後見人制度には3つの類型があり、以下となります。

  • 後見
  • 保佐
  • 補助

 

それぞれの類型によって、本人が出来る行動や成年後見人の権限が変わってきます。図にしたの確認してください。

後見 保佐 補助
対象者 自力での判断能力に欠けた人 判断能力の著しく不十分な人 判断能力の不十分な人
同意見の範囲 なし ・借金
・相続関連など
民法で定められた財産に関する重要な行為
・借金
・相続関連など
民法で定められた財産に関する重要な行為の中で、申し立ての範囲内で裁判所が定める行為(本人の同意要)
取消権の範囲 日常生活に関する行為を除く全ての行為
代理権の範囲 財産に関する全ての法律行為 申し立て範囲内で裁判所が定める行為
ただし、本人の同意が必要
同左

 

成年後見制度は親亡き後の障害者の財産を守り、監護をしてくれるための制度ですが「監視」されているのとは違います。本人が「自分で決めたいことは決めることが出来る」と、定められています。

 

とはいえ、誰かの力を借りなければ判断出来ない人、ある程度は自分で判断できる人の個人差にも開きがあります。また、普段は判断能力があるが情緒不安定になると出来なくなると言った方もいます。

 

そのため、法廷後見制度は本人の障がい特性(判断能力)に応じて、支援する側のパターンを3つに分けています。

 

3類型の分類方法は、医師に診断してもらい3類型を診断書を記載してもらいます。診断書を持参して後見人制度の申し立てを行いますが、最終的な判断は家庭裁判所となります。※いずれも、後見人の申し立てできる人は「本人」「配偶者」「4親等い兄の親族」「検察官」などです。

 

精神発達に詳しくない医師だと「とりあえず」と3類型の無難なところにしてしまうという話も聞いたことがあります。

診断書を書いてもらうときには、子どもの出来ることを詳しく伝えるのはもちろんですが、長年の医師との関係性が必要となります。新しい医師に交代するときも申し送りをしっかりしてもらい、子どものこと深く理解して貰うことが大切です。

生涯に渡って、長く付き合っていくような関係性が持てるのが理想ですね。

成年後見制度|手続き方法について

成年後見制度を利用するための、手続き方法を解説します。

 

①医師に診断書を貰う

②家庭裁判所へ申し立て

申し立てできるのは、本人」「配偶者」「4親等い兄の親族」「検察官」、または市区町村長も出来ます。

※ここでのポイントは、素人または初めての人が、一人で出来るほど簡単な申し立てではないということです。
離婚経験者の私からすると、家庭裁判所へ何かを申し立てるのは本当に大変な作業です。親だけで抱え込もうとせず、社会福祉協議会や成年後見制度を取り入れている事業所などに相談することをオススメします。

③書類の提出後に、家庭裁判所で審判手続き

「すぐに決まる場合」「面談がある場合」などケースがさまざまで、ときに障害者本人の判断能力を審査されることがあります。

④家庭裁判所の審判決定「後見」「保佐」「補助」の決定や、成年後見人の確定
概ね1か月~3か月程度かかる

⑤審判の確定・嘱託

不服の申し立てが無ければ、約2週間後に審判確定となります。
審判確定後、家庭裁判所かr法務局に審判の内容が嘱託される。

⑥登記

最後に登記をします。成年後見人となった方からの請求が行われると、「登記事項証明書」が発行されるて完了となる。

成年後見制度|障害者家族にとっての問題点

あくまで私の主観ですが、成年後見制度の課題点を取り上げてみましょう。

後見人は途中で辞退できない

後見人は途中で辞退することが出来ません。

 

例えばですが、後見人制度を活用するとただでさえ少ない子どもの障害者年金が大幅に減ってしまうことを考慮して、親御さんが後見人に就任したとしましょう。

 

後に、自身も認知症や介護の心配が出てきて後見人を辞退したいと思っても、成年後見制度は辞退が許されない制度なのです。※一時的な精神障害についての、成年後見制度については取り消し請求を行い受理されることもあります。

 

親である自分自身が他界した後には、子どもの将来を知らない人に託すというのは不安が残りますよね。後見人制度は、慎重に選びたいところです。

長期間に及ぶ支払いの問題

長期間に及ぶ「後継人報酬」も大きな問題です。弁護士や司法書士などと言った専門職の人が後継人となれば、後継人報酬が長きに渡ってかかります。

 

親が後見人となった場合も、家庭裁判所で後見人監督が選任されれば報酬が長期間必要となります。

 

(通常の)後見人報酬:月額2万円
後見監督人報酬:月額1~2万円程度

 

けして多いとはいえない、障害基礎年金や就労継続支援事業所などの報酬からこの金額を障害者が支払っていくことは非常に負担になると思います。

 

そのため、親御さんも「もったいない」と思って先延ばしになりがちですが、いざというときはいつ来るのか分からないのが現実で、国全体で考えて貰いたい社会問題のひとつだと私は思います。

まとめ:【障害者の親亡き後】お金編③:お金を管理する方法①「成年後見制度」

今回は、障害者の親亡き後のお金を管理して貰う仕組みのひとつ「成年後見制度(+後見監督人)」を紹介しました。お金を管理して貰う方法には、法人後見や日常生活自立支援事業といった手立てもあります。これは次回解説します。

 

なんだか、色々考えていると不安になってきますが、障害者の親はずっと悩みと共に暮らしています。精神的に辛い状態がずっと続いていることでしょう。

 

でもいつかは考えなければならない。自分を追い詰めすぎないためにも「ゆっくりと時間をかけて決めていけばいい」と感じて欲しくて、若い層のお母さん達にも「障害者の親亡き後問題」が広まりを見せるといいなと思って書き続けています。

 

私は、こうした知識を「【終活ガイド上級(1級)資格】」で習得しました。

 

今日はここまで。

 

 

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